貝殻と料理と波動バランスについて
料理人が波動バランスのセッションをしている、と聞いて驚かれるかもしれません。でも、私は「料理」から料理人になったわけではありません。私が入った扉は「いのち」でした。
だから私の本業は料理ではなく、「アート・ド・ヴィ(生きる芸術)」について書くこと。料理はその一部、大切で美しい表現ですが、全体ではありません。
メゾン・ジュリアン宮津のヒーリングルームには、一つの貝殻が置かれています。静かにそこにあるその形を見ていると、自然の中に流れる驚くほどの叡智とバランスに気づかされます。計算されたわけではないのに、すべてが完璧に調和している。エラーなど一つもないのです。
鉱物も、植物も、動物も、惑星も、人間の身体も——すべては完璧にデザインされ、完璧に機能しています。
料理も同じです。インスピレーションが生まれ、動きに無駄がなく、味やかたちに美しさが宿る。ただその流れに委ねるとき、料理は自然の一部になります。
しかし、この**宇宙全体を満たす波動(Hado)**の調和の中で、人間だけがしばしばそれを外れて生きているように見えます。理解したい、コントロールしたい、戦いたい、そう思うあまりに、自然のリズムから外れていってしまう。
そして身体は緊張し、ストレスをためこみ、時に取り返しのつかないほどバランスを崩すこともあります。自分の波動を押しつけようとする、それは人間だけ。他の命たちはただ、流れに身を任せています。
でも自然の法則はいつでもそこにあります。病の奥には健康が隠れていて、人はそこに戻ることができる。実際、私たちはしばしば回復するではありませんか。
私たちの命も呼吸も、血の流れも、私たちのものではありません。ただ流れている。
私が行う「Hado Balancing(波動バランス)」は、まさにその自然の流れにもう一度つながることです。無理なく、静かに、自分の内にある調和を思い出す時間。何かを「治す」のではなく、もともとあったリズムに戻ることなのです。









